現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
しかし、なにをやっても絵になる男だ。
いつもはちらっとしか見ることのない顔が、私の目の前にある。

よく見ると、肌は毛穴が見えないくらいのすべすべ肌だし、眉毛もしっかりと整えられている。

二重もくっきりだし、鼻も高い。


また煙草を吸いながら、その流し目がたまらなくクールじゃないか。


それなのに私ときたら。
化粧もしてないし、手入れすら面倒で碌にやっていない。

なんだか向かいにいるのが恥ずかしくなってきた。
こんなことならファンデーションくらい塗ってくるべきだった。


「どうしたの?」

「い、いえ別に、なにも」

どうやらまじまじと見ていたのを気付かれてしまったらしい。
慌てて顔を背けた。

「俺の顔に見とれた?」

「みっ……見とれたっていうか……!」

悔しいけど、なにも言い返せない。

そう意地悪そうに話す岡田さんもカッコいいのだ。
見る気はないのに、どうしても目が行ってしまう。

人を惹きつけて離さないその魅力も、岡田さんのいい所なのだろうとは思うが。


「と、ところでどうして私を誘ったんですか」

あまりこの話を続けたくなくて、そう切り返す。
それを聞いた岡田さんは、短くなった煙草を灰皿に潰して答えた。

「どうしてって、気になっていたからだよ。あの男だらけの中で一人だけあの作業をしていたら、ちょっと気にならない?どんな子なのかな、って」

「そ、そうですか?まあ、女が現場で働いているのは珍しいかもしれませんけど……」

「あれだけうるさいから、もしかしたら聞こえてないかと思ったけど、しっかり聞こえていたとはね。でも、お陰で重要なことが聞けたから良かったけど」

「良かった……って、そんなに私がおひとり様なのがいいことなんですか?」



「そりゃあ、ね。だって俺、君のこと好きだし」


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