正しい男の選び方
ぎくしゃくとした夜だった。
政好とは初めてだし、こんなものなのかな、とも思う。
葉子自身、いろいろ比べるほどの経験があるわけではないし、どう判断してよいかよくわからなかった。
何よりも、久しぶりだったせいなのか、集中できなかった。
それでも、朝、隣りにいる政好の寝顔を見ていたら穏やかな気持ちがじわじわとわきあがってくる。
安らかな顔をして眠っている政好の顔にしばらく見とれていた。
浩平の時は、次の日の朝が最悪だったからなー……なんてぼんやり考えてはっとする。
また、浩平が出て来た!
寄せては返す波のように、ちらちらと浩平の影が脳裏にちらついて、葉子はいらいらした。