正しい男の選び方
浩平の危機
チリン
次の日、昼休みにケータイが鳴った。浩平からのメッセージだ。
ミッション成功 ありがとうございました
昨夜の首尾は上々だったようだ。
(うまくいったんだ……。
よかった、よかった。
……よかった?)
その3時間後。
チリンとケータイが鳴った。また、浩平からだ。
どうしよう
(どうしよう……って、カナと何かあったのか?
もー、痴話げんかを一々こっちに持ってくるなよなぁ……)
しかし、これだけじゃ、返信のしようがない。
無視していると、今度は電話が鳴った。浩平からだ。
仕事中にじゃんじゃか連絡してくるなよ、と思ってこちらも無視していたら、すぐに本人が目の前に現れた。
葉子は乾物の品出しをしているところだった。
「助けてくれ」
浩平がケータイを握りしめて狼狽している。
「どうしたの?」
「どうも停電したらしい」