正しい男の選び方

(停電の何をどう助けたらいいんだ? ってか、停電してないし)

浩平の話はさっぱり要領が得ない。浩平は続けた。

「今晩ハロウィンのパーティーを開くことになっているんだ。
 今、ケータリングのとこから連絡があって、厨房が停電したから今夜のケータリングは間に合いそうもない、という連絡が入って」

「…………」

「あと三時間でウチに客が来始める」

「何人?」

「200人ぐらい」

「どんなパーティーなの?」

「ハロウィンのパーティだけど、プロジェクトの打ち上げも兼ねてる、カジュアルな立食のパーティーだ」

「……誰が来るの?」

「プロジェクトメンバー、それに仕事関係で世話になってる人、とその人たちの連れ。あとは適当に知り合い。
 パフォーマーも何人か呼んでる。屋上のテラスとウチがパーティー会場なんだ」

「……まずは、深呼吸しよう」

二人ですーはーとやった後、葉子が口を開いた。

「大丈夫だから」


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