正しい男の選び方

それからの5時間半、浩平の家とワールドフーズは文字通り、てんてこ舞いの忙しさだった。

葉子は、食べ物の用意の陣頭指揮をとる。調理時間を計算し、出来上がったものを置いておくスペースを考え、出す順番を考える。
時間との戦いだ。
借りられる手は全て借りて、ぬける手は全てぬいた。

ケータリングの会社からの助っ人にもスーパーの調理場に入るようにいい、何を作るか指示をする。
凝ったものは作れないから、葉子は事細かに指示をだし、短時間で大量の品を出せるように必死だった。

葉子の創意工夫は素晴らしく、最初に出したい野菜スティックは単純に切ったものをコップに入れて出しただけだったけれど、すぐに出さなくても構わないフルーツは調理場で綺麗に盛りつけてから出す、という案配だ。

鉄火巻きとかっぱ巻きの皿は、近くの寿司屋に外注して出したり、ベーカリーのセクションには無理を言ってロールパン用の生地をミニロールにして焼いてもらったりもした。


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