正しい男の選び方

6時を過ぎる頃、ぼつぼつと客がやって来る。

その時間は、スーパーフーズも一番稼げる時間である。
特に、通勤客が帰りに総菜やお弁当を買って帰るのに、調理場が間に合わず、品切れや品薄が結構出て、店長はその対応に大わらわであった。

ずっと頭をさげっぱなしである。

それに、明日への対応もある。
これだけいろいろなものが出てしまったので、明日入ってくる商品の確認やら、追加発注なども対応しなくてはならなかった。

葉子も、パーティーに出せるものを睨みながら、一方で、スーパーの店頭でもお惣菜がなるべく品揃えが豊富になるように気を配ったり……で、結構忙しい。
売れ方がいつもとは全然違うので気がぬけなかった。

8時過ぎ、スーパーの方が一段落をしたので、葉子は浩平の部屋まで様子を見に行った。
パーティーは佳境を迎え、大いに盛り上がっている。
お客さんたちもそれなりに飲み食いしてくれているようで、葉子はほっとした。

テラスに上がっていくと、そちらは一層賑やかだった。

テラス中に豆電球が張り巡らされていて、ウエットバーも用意されている。
手品をするパフォーマーがお客さんを大いに賑わしていたし、生バンドのトランペットの音がテラスに響いていた。

来ている人たちも思い思いに扮装している。
軽く顔にペイントした程度の人から、がっつりスーパーマンやドラえもんのコスチュームをまとってる人もいて、なかなか見飽きない。
多くの人はコスプレを楽しんでいるように見えた。


< 146 / 267 >

この作品をシェア

pagetop