正しい男の選び方
「本当に助かったよ……」
浩平がシャンパン片手に葉子のところへやって来た。
「飲む?」
葉子にグラスを差し出す。
「……ああ、まだ勤務中なので遠慮しておきます。それより食べ物、足りました?」
「うん。何とかなりそう。思ったより好評で安心した。さすがワールドフーズさんだね。どれも美味しかったよ」
「……そう言って頂けたなら何よりです!」
それは、やっぱり葉子が陣頭指揮をとって、与えられた状況のなかで最善をつくしたことだったから、この言葉はとても嬉しかった。
「良かったら何か食べて行ってよ?」
「……勤務中っていいましたよね?」
浩平は笑った。
それから、ワールドフーズに戻って、閉店まで仕事をした後、また浩平のパーティーに戻って来た。
ケータリングの人が少しずつ後片付けを始めている。みるみるうちに出来て行くゴミ袋の山を見ながら、葉子はやっぱり切ない気持ちになった。
すごいゴミ……
いや、わかるのだ。
素早く片付けるのに大量の紙ナプキンやキッチンペーパーなどが使われる事だって。
カジュアルな立食なのだから、皿やカトラリーが大量に必要で一部プラスチックの使い捨てのものにせざるを得ないことも、同様にグラスをプラスチックのものを用意しなければとても間に合わないということも理解できる。
しかし、さすがに200人もの人が飲み食いした後の残骸はなかなか壮観で、捨てられていく残飯を見ながらなんとも言えない気持ちになっていた。