正しい男の選び方
(あー……予定外のサプライズがあったってわけね)
「あ……私、帰るね。じゃ、二人でごゆっくりー」
葉子はさっとエレベータに乗って下に降りて行く。さっきは調子良く誘って来たくせに、今は追いかけてもこなかった。
(さっき、あんなに気をもんだのがバカみたいだ。ご飯食べるだけだし……なんて、ご飯食べるまでもなかったじゃないの。
杞憂。全くの杞憂。
ただの一人相撲。
ばかみたいだ。お礼、とか残飯処理とかうまくいいくるめられて、のこのこやってくるなんて。
あちらさんは、しっかりカノジョとよろしくやっているではないか。
そうだ、きのう、ミッション成功のメッセージをもらっていたのだった。
やっぱり二人はヨリを戻して、今夜はいちゃいちゃするに違いない)
……
…………
葉子は政好に電話をかけて食事に誘った。家に呼ぶつもりだった。
昨日の夜、貰ってきた残り物がまだたくさんある。二人で食べればちょうど良いだろう。
葉子が、残り物を温めたり、皿に移しかえたり、なんやかんや準備していると政好がやってきた。