正しい男の選び方
ああ……! 浩平はこんなに女の趣味が悪かったのか!? 女なら誰でもいい、というのは知っていたけど、まさかこれほどとは!?
葉子は、驚くのを通り越して、ただただ唖然としていた。
「今日は何をお作りになるんですか?」
葉子は店内で騒いでいる二人の前に立ちはだかった。
「……寿司を食べにいくから何も作りませーん」
浩平はかなりテンションがおかしかった。そうとう飲んでいるみたいだ。まだ宵の口なのに??
「……じゃ、何を買いに来たのよ?」
「葉子ォー。葉子を一つくださーい」
はぁ? 何言ってんだ?
呆然としたまま返事ができないでいる葉子にお構いなしで、浩平はけらけらと笑っている。
葉子は、浩平の手を引っ張って、スーパーの裏の方に連れて行った。
「ちょっと、浩平。どうしたの? おかしいよ?」
「はははー」
「なーに? ついに会社が倒産して一文無しになったとか?」
「相変わらずやなこという女だなぁ。んなわけないだろ」
「じゃ、何よ。アンタ、女にはだらしないけど、立ち居振る舞いはスマートでスケベな中年オヤジみたいなことはしなかったじゃない。
何、やけくそになってんの?」