正しい男の選び方

(まずいよ……
 これは絶対まずい……
 だから、イヤなんだ。
 浩平が絡むと、せっかくうまくいってたことが何かおかしくなる。
 ついこの前誓ったばかりじゃないの。
 絶対、もう、あんなことはしないって。
 なのに、デートはともかく(いや、これもまずいだろうが)、キスはまずい。全く言い訳の余地がない)

さすがの葉子もどっぷりと落ち込んだ。

……とにかくバレないようにしなくては。

でも、なんであんなことになったんだろう……
キスだって途中でいくらでも止められたはずなのに、なんだか魔法がかかったみたいにずっと浩平のするがままだった。

……浩平の体はキモチガイイのだ。接触しているといつもとろけるような気分になってそのまま……やりたくなってしまう。
用心してしっかりと身を引き締めておかないと。
葉子は家に向かいながら決意していた。

チリン
家に着いたころ、浩平からメッセージが届いた

    ありがと 元気がでた

少し考えて葉子はメッセージを返す。

    いつでも連絡していいからね

やっぱりあんな風に自暴自棄になる浩平をみたくない。


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