正しい男の選び方

それで一気に緊張が解けたのか、二人はいろんな話をした。

葉子が、政好の仕事の話について水を向けると、急に顔を輝かせて滔々と語り出す。
政好は、海洋生物について研究しているらしかった。

「海洋生物? 魚ってこと?」

「いや、僕はサンゴ礁の生態とか、サンゴ礁の移植とか、とかそういうことを研究してるんだ」

政好は、サンゴ礁がそこの生態系にとってどれほど重要な役割りを果たしているのか、どんなに増やすのが困難な事か、なのにどんどん枯れてきているというようなことを実に熱く語った。

政好がその口から「サンゴ礁」という言葉が出てくるだけで、葉子はもううっとりしてしまう。

政好の熱気が葉子にも伝染してくる。

「サンゴ礁」なんて言葉がこれほどセクシーに感じられるなんてその時まで葉子は想像もつかなかった。

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