正しい男の選び方
浩平はまた大笑いをする。
「妬かない、妬かない。 ただ一緒に飲んでただけだよ」
夜中の二時まで?
突っ込もうとして、葉子はかろうじてその言葉を飲み込んだ。
確かに、まるで浮気を追求してるみたいに聞こえる、と思ったからだ。
「それは楽しそうで何よりでしたね」
「君は? 男と一緒だったんじゃないの」
「人のプライベートに一々突っ込まないで下さい」
「そっかー、違ったのか。てっきり誰かとデートでもしてるかと……」
「関係ないでしょ。大きなお世話なんだけど?」
葉子はキツめの声で浩平の話を遮った。
「気になるじゃない。君がどんな男と付き合ってるのか」
涼しげな顔でしゃあしゃあと言う。
葉子は浩平を無視して、黙々と牛乳を棚に並べる。
それが終わると、ヨーグルトを綺麗に並べ直して、バターやクリームチーズの品揃えを確認する。
乳製品はコンスタントに売れるので、まめにチェックして品物の補充をしなければならないのだ。
浩平が急に葉子の前に立ちはだかった。
「どんなヤツなんだよ、相手の男は」