正しい男の選び方
呆れたような白けたような浩平の言い方を聞いて葉子はくすくす笑った。それでも嫌みな感じはしない。
「ビニール袋とかペットボトルが海に投げ捨てられて、四国より面積が大きくなって浮き島みたくなってるんだって」
「何、船を出して拾いにいくの?」
「違う、違う。ビニール袋に入ったものとかペットボトルとか買わないようにしてるのよ」
「へぇ……奇特なヤツだねー。どうやって?」
「まず水筒ね。いつも二リットル入りの水筒を持ち歩いてる」
「ふーん。じゃ、スタバとかには行かないの?」
「もちろんマイカップいつでも持参よ」
「うわー、オタクっぽい。確かに君にピッタリかもね」
「まぁー、そうかもね。大きなバックパックに水筒とマイカップが入ってるし、それに……」
葉子は、くくくと思い出し笑いをしながら続けた。
「エコバッグとかその他いろんなバッグが何種類も入ってるの。タッパーとかも持ち歩いてる。ビニール袋を使わなくて済むように。
パンも絶対パン屋でしか買わないんだって。それで、持参したビニール袋に入れてもらうんだって。
コンビニなんて目の敵にしてるよ」
「マジか!?」
「マジ。ほか弁とか買うときも持って行くんだって、自分の弁当箱」
「そりゃあー……筋金入りの気違いだ。君みたいだね」
「確かに」
葉子は浩平の呆れたツッコミも適当に受け流す。