正しい男の選び方

葉子はこくんと頷いてメッセージを送信した。

ずいぶんと長い時間がかかったように思えたが、葉子がパスタを食べ終わる前にチリンと鳴った。
   
    あいてます

(これだけ!?)
ずいぶんと素っ気ないメッセージに葉子は戸惑った。

浩平が横からメッセージを覗き込む。どうしようかともじもじしている葉子のケータイを取り上げて、浩平が勝手にメッセージを入れた。

「な、何するのよ」

「いいから。コイツ、相当ニブいからガンガン行かなきゃダメだろ?」
 
    でしたら、お弁当持って六角公園にでも行きませんか?

浩平のメッセージを見て葉子が口を挟んだ。

「六角公園? 何で?」

「だって、どうみてもコイツ、ネイチャー系でしょ。バックパックとかしょっちゃってんでしょ?
ドライブとかオシャレなバーとか引きそうじゃん。
公園に弁当なら絶対食いついてくるよ」

涼しい顔で答える。

パスタを食べ終わる頃、メッセージが来た。

    了解です。明日は天気もよくなりそうです。

メッセージを見るなり、葉子は、思わず手で口を抑えて浩平の顔を見た。

「ほら、大丈夫だっていっただろ」

浩平がウィンクをする。葉子は思わず浩平の手を握りしめた。

「ありがとう」

「良かったなー」

浩平も葉子の頭をぽんぽんとたたく。


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