正しい男の選び方

(こんな口先だけの男の手には乗ってはいけない……遊ばれて終わるのがオチじゃない、わかってるじゃないの。
 この男には、常に女のカゲがちらついている。

 でも、まだ、政好とは付き合ってるワケじゃないし……
 ワタシも、もういい大人なんだから、こういう色っぽいアクシデントもたまにはいいんじゃない…… 
 これが、一晩のアバンチュール、とかいうヤツ?

 ダメダメ! そんないい加減なことしたら、絶対後悔する。
 
 それにしても、この手は何て気持ちがいいの……
 これじゃ、まるで……ワタシって自分で思ってるよりもインラン!?)

酔った頭で考えがまとまらない。
ぐだぐだしているうちに、浩平の唇はいつの間にか葉子のそれに重なっていた。

柔らかい唇……
浩平は葉子の唇をゆっくりと湿らせる。

葉子は浩平を見上げた。抗議しようとするその唇を浩平は指でそっと抑える。

「……シィッー」

浩平は、そのまま葉子を抱きかかえるように、隣りの寝室まで連れて行った。


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