正しい男の選び方
商店街の秋祭り

あれから、政好からの連絡はずっとなかった。

葉子の方も、あの晩ことがあってからいっそう気まずくて連絡を取る気になれない。
返すがえすも軽はずみなことをしてしまった……と、後悔する事しきりである。

浩平とも口をきいてなかった。浩平が店に来ても葉子は断固として無言を決め込んでいる。
何度か女が浩平の周りをうろうろしているのを見かけたが、それもどうでも良かった。


今晩は、また「アマゾンの森林を守る会」の会合がある。

葉子は行こうかどうしようか迷っていた。
政好から何の連絡もないので、どんな顔をして会えばいいのかわからない。
かと言って、このまま切れてしまうのもものすごく後悔しそうだった。

それに、このことが原因で「アマゾンの会」から離れることも考えたくなかった。

こうしている間にも、アマゾンの森林は伐採され、ブラジルの子供たちが貧困の淵に追いやられて行くのだ。
確かに、葉子の手には余る大きすぎる問題かもしれないけど、浩平のことが頭を過る度に、自分はただの傍観者にはならない、行動を起こす人でいたいと決意を新たにするのだった。

結局、友だちの恵も行く、というので、葉子も付き合う事にした。
あとはどうにでもなれ、というヤケな気持ちもある。


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