正しい男の選び方
緑川政好は会合に姿を現した。
話し合いが始まると、政好がテキパキと場を取りしきった。
皆に紙を配りながら、話を進める。何だか、さくら商店街の秋祭りに参加させてもらえそう、ということで、皆、興味津々で政好の説明に聞き入っていた。
「手元にあるのは、さくら商店街の秋祭りのメモです。商店街の方たちも応援してくださってて、なんとかブースを設置できそうです。
コーヒーとお茶菓子を販売予定で、当日の営業許可もとりました。そこで、寄付を募るコーナーを設置する予定です。
あとは、この前言っていた、エコバッグとTシャツの販売も考えています。
詳しくは、そのメモを見てもらえると、全体のイベント内容がつかめると思います」
政好が配ったメモにはきっちりとやるべき事とその締め切りが順序よく書かれていてとてもわかりやすい。
「緑川さん、一人でつくったのかなぁ?」
葉子が恵に聞くと、恵は事情に詳しいらしくいろいろ教えてくれた。
「あー、中田くんも手伝ってるんだ。緑川さん、研究が忙しくて時間がないってボヤいてるんだって」
「時間がない?」
「なんか、つい最近も二週間近く船で小笠原かどっかに行ってたらしいよ」
「……」
「ねえ、葉子もやるでしょ? 秋祭り。緑川さんと仲良くなる絶好のチャンスじゃない?」
「うん……」
大体の流れが説明された後、それぞれの係りを決めて、仕事を割り振ることになった。