正しい男の選び方
そして日曜日。
葉子は眩しい光で目を覚ました。すぐにベッドから飛び出してカーテンを開ける。
外は雲一つないピーカンのいい天気。窓を開けると爽やかな風が吹き込んできた。
急いで葉子が会場まで行くと、昨日までのどんよりした雰囲気がウソのように活気づいていた。
朝早く、商店街の店が開く前から、たくさんの人が出てきている。あたかも昨日までの分を取り返すかのように。
この天気でずっと家の中に閉じ込められていた誰もが外に出たくてたまらないようだった。
その人なみに急かされるように、どのテントや出店もいそいそと支度をしている。
野次馬がひっきりなしにやってきて、商品を覗いて行ったりする。葉子たちも、準備をしながら、コーヒーを出すような有り様だ。他のテントの人たちも、準備の合間にコーヒーを飲みにやってくる。
今日こそ、滑り出しから順調そうだった。
「晴れて良かったね。今日は良い一日になりそう」
葉子が政好の隣りに行くと、政好はとにかくほっとした顔を向けた。
「うん。昨日までの分をどれだけ挽回できるかわからないけど……とにかくやるしかないね」
それから、目の回るような忙しさで、次から次にやってくるお客さんをさばくのが大変だった。
立ち寄る人が増えれば、コーヒーの売り上げも伸びるし、寄付していってくれるお客さんも大勢いた。
葉子は用意しておいたパンフレットを見せながらアマゾンの現状を熱心に訴える。
葉子の話を聞いてTシャツやエコバッグを買ってくれる人が何人もいた。