春の扉 ~この手を離すとき~
学校はまだ先生たちが残っているようで、職員室の灯りだけがついていた。でもいちいち職員室に声をかけてまで教室に行くのは面倒くさい。
『誰にもみつかりませんように』
と念じながら暗くて不気味で寒い廊下を急ぎ足で、でも足音をたてないように注意しながら教室に行き、どうにか目的を果たした。
この世からテストなんて無くなれば、こんなに怖くて面倒くさいことにならなかったのに。
なんて思いながらさっさと教室を出ようとしたときだった。
何気に窓の外に目を向けると、体育館に灯りがついていることに気がついた。
部活は休止期間中だし、それに生徒は全員下校しているはずなのに。
……消し忘れ?
別にわたしが気にすることでもないし、先生の誰かが気づいて消すだろうけれど。
このまま帰ってもよかったのに、なんとなく気になって体育館に近寄っていくと、中からボールを弾く音が聞こえてきた。
『誰にもみつかりませんように』
と念じながら暗くて不気味で寒い廊下を急ぎ足で、でも足音をたてないように注意しながら教室に行き、どうにか目的を果たした。
この世からテストなんて無くなれば、こんなに怖くて面倒くさいことにならなかったのに。
なんて思いながらさっさと教室を出ようとしたときだった。
何気に窓の外に目を向けると、体育館に灯りがついていることに気がついた。
部活は休止期間中だし、それに生徒は全員下校しているはずなのに。
……消し忘れ?
別にわたしが気にすることでもないし、先生の誰かが気づいて消すだろうけれど。
このまま帰ってもよかったのに、なんとなく気になって体育館に近寄っていくと、中からボールを弾く音が聞こえてきた。