春の扉 ~この手を離すとき~


「あれが流れ星だったら、美桜は何を願う? 」

「……願いですか?」




『おかあさんもいっしょにくらせますように』




ふいに子供のときに願った思いがよみがえった。

そしてそれは、

願わなければよかったと何度も後悔した願い。
願わなければ失わなかったのかもしれないのにって。


その思い出が、浮かれていた気分に水を挿してきた。

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