春の扉 ~この手を離すとき~
襲ってきた眠気に気がつくと、時計は深夜2時を回っていた。
思ったよりも集中していたみたい。
もう疲れてるし、それにできる限りはやったし。
明日はなるようになる! ……はず。
そう自分をはげまして机を片付けると、背伸びをしながらベッドに向かった。
起きるまでにあと4時間か。
いそいで眠らないと。
ベッドに潜り込むと、ひんやりとした布団がわたしを包み込み、そしてすぐに暖めて癒しはじめだした。
なんだか今日は疲れた1日だったな。
あの人と健太郎くんと、……咲久也先生か。
目を閉じると、バスケをする咲久也先生の姿が浮かんできた。
そして、またドキドキしはじめた自分に驚いてしまい、そんな自分を否定するように目を開けてしまった。