春の扉 ~この手を離すとき~

3人掛け用のソファに健太郎くんと2人で座っているのだけれど、健太郎くんが無駄に寄ってきているので、わたしの座るスペースは1人分もなかった。


会話が盛り上がっている中に水を挿してしまうことに気が引けて

『落ちそうだから少し離れて欲しい』

と言い出せない。

言っところで、みんなに変に冷やかされそうな気もするし。


わたしは座るスペースを仕切り直すために、4回目のドリンクバーのおかわりから席に戻ってきたところ。

でもグラスにはジュースを半分も入れてはいない。

この方法ならば、何度も席を外す正当な理由になると思いついた自分を誉めてあげたい。
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