ThEy'Re SEVeN ;
7 DeADly sInS :
少女は一人立っていた。
辺りは見渡す限りの荒野。
気付けば一人立っていた。
「……」
着ている服も適当で。
持ち物は何も無い。
否、一つだけ……たった一つだけ持っている。
それは自分の心の中に。
ひとたび念じれば手の平に。
そう、それは形の無いモノ。
現に手の平に現れるわけでもない。
けれど少女は感じていた。
唯一つのそれ。
自分も荒野に唯一人。
持っているモノも唯一つ。
それを実感したその時、摩耗していた記憶が舞い戻る。
「……ああ」
みんなが待っている。
この荒野を抜けなければ。
「でも……めんどうだなぁ〜」
――――『acedia』