ThEy'Re SEVeN ;
それは罪。
行き交う肉塊はそれでもあれの創造物。
増殖し過ぎて塵芥とさえ感じても、肉塊…『ヒト』は、尊いもの。
だからこの汚濁は罪。
蒔いてはいけない。
ヒトはそれを既に持っているから、これ以上蒔いてはいけない。
けれど。
肉塊は尊くも愚かで。
「揃いましたな」
「ねぇ、草原の時は特に思わなかったけど、酷くない?ここ…」
『ヒト』すらも汚濁を保有する。
それは増えて、殖えて、フえて……
「こんなになるまで放っとき過ぎなんだよ、あれは」
『あれ』
彼らが蒔く更なる汚濁は『あれ』に清掃を促している。
あれは、汚いモノを嫌う。
だというのに汚さに気付くのが遅すぎる。
否、気付こうとする事が遅すぎる。
だから増やして無理矢理気付かせる。
『早く掃除しろ』と。
見渡す限りの鉄森の中。
揃ったのは七人。
立ち並ぶ巨大な長い立方体は無言で彼らを見下ろしている。
既に記憶は構築された。
持ち物は解っている。
すべき事も知っている。
形の無いモノは汚濁。
それは罪。
ただ蔓延る肉塊へ撒き散らす作業を。
みんなが持っているモノを使って
汚いものを更に汚くする事で
やっと『あれ』は腰を上げる。
掃除を始める。
汚くなった肉塊が汚すこの世界を。
彼らはこんな形でしか救えない。
世界を綺麗にする力がないなら
『あれ』に綺麗にして貰うしかない。
七人が出来る唯一つの方法。
世界清掃を促すモノはそれしかないのだから。