ダントツ!!16番人気の翔馬くん extraステージ
『翔馬くん…焦りすぎ。』


『へっ?』


俺はポカンと口を開けながら西野を見た。


するとニコっと小さく微笑むと一変、目を伏せながらふうっと息を吐いた西野は、俺にケータイを返しながら小さく呟いた。


『翔馬くん…お願い。』


『…?』


膝を抱える西野を見下ろしながら、俺は首を傾げた。


『お願い…今すぐ…出てって?』


『えっ…』


両手で顔を覆う西野を見つめながら、俺は言葉が出なかった。


『わかった…』


『ありがと…』


そして一言、そう呟くと振り返ることなく保健室を後にした。

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