さよならの前
spring
教室に入ると、既に友達ができている人もいてかなりがやついていた。
私は県外の高校を選んだために友達もおらず、イチからのスタート
自分の席を確認すると、隣の席は茶髪の女の子。腕にも、なにやら派手なブレスレットなどをつけていた。
「あれ?隣の席なん?」
突然話しかけられ、戸惑う。
「はい、えっと…」
「うち、愛!愛ってよんでな!」
「私は、菜摘です」
自己紹介をすると、愛の周りにいた女の子達も話しかけてくれ
私は愛のおかげもあり、すぐに友達ができた
「菜摘!早く行こ!」
「あ、うん!まってー」
移動教室もいつも一緒で、クラスのみんなと仲良くなった
こんな楽しい日々が、ずっと続けばいいなって思ってた
ある日、お手洗いに行こうと、愛と廊下を歩いていた時
私の肩が、誰かとぶつかった
純黒で綺麗な髪の毛は、整えられたような外ハネがいくつかあり
少しつり目だがキツそうには見えない顔立ち
私は、一目惚れだった
「あ、ごめんなさ……」
謝ろうとしたが、男の子は私を睨むとそそくさと走って行ってしまった
「菜摘、どした?」
「あの子と、肩ぶつかっちゃって…」
「あぁ~、海ね」
桐野海 というその男の子は、愛いわく
中学の時から誰とも関わらず、一匹狼だったらしい。モテるが、告白されると女の子にひどいことを言うため、男子からも嫌われているとか…。
「菜摘、見た目に騙されちゃダメだよ!」
「うん…」
愛には、一目惚れだと言えず…
私は心の中に気持ちをしまっておくことにした。
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