スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
「スウィングするからジャズだよ! 13人じゃなくて、16人のバンドだよ。それでね、みんなライリの友達だから、あたしの友達なんだよ!」
ごめん、わけわかんないんだけど。
いや、バンドの編成のことは微妙にわかったかもしれないけど、わたしがまず知りたいのはそういうことじゃなくてですね。
「あのね、らみちゃん、1つずつ答えてもらっていいかな? らみちゃんは、ジャズのライヴを聴くために、このお店に来たの?」
「うん!」
「夜、遅くなるよね?」
「7時からと9時からで、あたし、どっちも聴くよ」
「小学生は、そんなに遅くまでお外にいちゃいけないんだよ。4の2ルールにも書いてあるよね?」
「ここ、お外じゃないよ。地下だよ。だから大丈夫でしょ?」
「えっとね、お外って、そういう文字どおりの意味じゃなくて……ねえ、らみちゃん、おうちの人は一緒なの?」
「いないよ」
「じゃあ、誰か大人が一緒?」
「ライリが一緒だよ!」
「ここに来るのも、そのライリさんと一緒だったのかな?」
「そうだよ。って、あ、ライリ来た!」
顔を輝かせるらみちゃんの視線を追って、わたしは振り返った。
予想してたとおり、さっきらみちゃんを車に乗せたイケメンが、そこに立っていた。
でも、予想してた以上にカッコよかった。