スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―


☆.。.:*・゜


音楽大学のコンサートホールに、らみちゃんを迎えに行って、金曜日の夜だから、おじいさんとおばあさんのおうちに送っていった。

らみちゃんの担任ですってことで、チラッと挨拶させてもらったんだけど、おふたりともハツラツとした印象だった。


「倒産した後、親父はシルバー人材派遣、おふくろは老人介護の仕事を始めて、最初は苦労もあったみてぇだが、今じゃそれぞれの現場でエース級の働きをしてるんだとさ」


頼利さんがそう紹介してくれた。

上條家のじじばばさまからは、らみと頼利をよろしくお願いしますと言われてしまった。

頼利さんまで面倒見るって、わたし、一言も口に出してませんが。

縁が続いてほしいとは思うけどね。


飛梅の暖簾をくぐるころには、わたしも頼利さんも空腹で、へろへろになっていた。

最近、ほとんど毎晩、こうやってメチャクチャ遅い時間に晩ごはんを食べてる。

これって太るフラグ?

土日は規則正しくしないとなぁ。


金曜日とあって、お客さんはまあまあ残ってる。

皆さん勝手に出来上がってたり話し込んでたりするから、俊くんは彼らの様子をうかがいつつ、片付けや仕込みの手も動かしつつ、カウンター越しに美香子先生としゃっべっていた。


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