スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
研究授業の場合は、学校単位での取り組みになる。
この小学校では音楽に力を入れて授業づくりをしています、という看板を掲げるよう文科省や教育委員会から指定を受けて、指定どおりに頑張ることになるんだ。
というわけで、前年度からうちの学校は音楽の指定校になっている。
わたし以外にも、音楽の免許を持っている先生が2人いて、過去の指定校の資料を参照しながら、ああでもないこうでもないと、よりよい音楽の授業のあり方を模索している。
わたしは今年度、授業参観と各種研究授業で、合計5回の公開授業をする予定だ。
その最初が、来月の授業参観。合唱は、高学年の音楽を専門で受け持つ先生が担当されるから、わたしは基本的に合奏担当で。
「合奏っていえば、さっきのジャズのオーケストラ、やっぱりすごかったなぁ」
「国外から来たバンドって言っていたわね。有名なバンド?」
「うん。アメリカから来てて、グラミー賞とか獲ってて、3週間の日本ツアーの途中らしいよ。ドラムの貴公子がめちゃくちゃカッコよかった」
「貴公子?」
「年齢はだいぶ上みたいだったけど、とにかく貴公子だったの。外国映画に出てきそうだった」
美香子先生が小首をかしげた。
うん、実物を見なきゃ、想像つかないと思うけど。