スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
「頼利さんは、らみちゃんのおかあさんの弟さんなのよね?」
「そうだよ。だから、叔父さんって呼ぶんだって。ハクフじゃなくて、シュクフって書くほうの叔父さんなんだって。
でね、34歳なんだよ。だから、オッサンって意味でも、おじさんなんだよ」
らみちゃんの言い方に思わず噴き出したら、ぬっと気配が現れて、大きな手のひらがわたしとらみちゃんの頭の上に降ってきた。
「おいこら、誰がオッサンだ?」
「うわぁ、ライリ!」
「ちょっとっ、髪、やめてください!」
らみちゃん同様、手のひらで頭をわしわしされて、髪がぐちゃぐちゃになる。
まあ、もとから別にちゃんとセットしてたわけじゃないけど。
子どもたちに「ムースやワックスは控えてね」と言いながら、自分だけゴテゴテにキメまくるわけにいかないから。
頼利さんがわたしたちのテーブルに着いた。
そのタイミングを待っていたのか、ウェイトレスさんが飲み物の注文を取りに来た。
「クランベリージュース!」
「ガス入りのミネラルウォーター」
「スプモーニのカンパリ抜きで」
「先生、それカッコいい! 何ジュースなの!?」
「グレープフルーツだろ」
「正解です」