俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
「なに」




「…柊くんって実はいい人なのかも?って思ったよ。ほんとにありがとね」




私は満面の笑みと共にVサインをみせた。




「…なんだよ、それ」




柊くんは呆れた様子でそんな私を見ていた。




ふふっなんか色々あったけど、これもいい思い出かもっ




「そろそろ戻ろっか」

「ああ」




私はこの時、気がつかなかった。




自分の中に芽生えた初めての感情を。




誰かを愛しいと思える気持ちを――――
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