俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
戸惑いを隠せないでいる私のもとに、さっきの大人しそうな子が焦った様子で駆け寄ってきた。




「ねえねえっなにやってるのっ…!」




「え?何って、今は状況整理を…」




「そうじゃなくて、さっき!ひ、柊くんに」




そういう彼女はおろおろとした様子で顔を青ざめていた。




ん?どうしてそんなに顔を青ざめてるの?




頭にハテナマークを浮かべる私に痺れを切らしたのか、彼女は私の腕を掴み教室の外へと連れ出した。




「なるべく、誰とも視線合わせないようにね」




小さくそう呟かれると、彼女は私を人気のない空き教室へと連れてきた。




空き教室へ入ると彼女は、ふぅ、と安堵の息を漏らしていた。
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