俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
呼吸を整えトイレを出ると、涼太くんと待ち合わせをしている中庭へと向かった。




そこにはベンチに座る涼太くんの姿があった。




「あっ花~!」




私の姿に気づき笑顔で手を振っていた。




「ごめんね、遅くなって」




なるべく泣いたことがバレないように、視線を外しつつ隣に座った。




「ううん、大丈夫!…って花?その目、どうかした?」




しかしすぐさま涼太くんにバレてしまった。




涼太くんは私の顔を覗きこむように首を傾げた。




「あ、えっとこれ…ちょっと目がかゆくなって掻いちゃったら赤くなっちゃったんだよね!」
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