俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
ごめん…ごめん、涼太くん…




涼太くんのことは本当に好きだし、いい人だと思う。




でも、それじゃだめなの。




涼太くんの気持ちに応えることは出来ない。




これだけ真っすぐに気持ちを伝えてくれた。

だから私も中途半端な気持ちじゃだめだと思った。




涼太くんの真っすぐな思いに向き合うよう、私も本当のことを言おうと思ったのだ。




私は下げた頭を上げることが出来なかった。




今、涼太くんがどんな顔をして、どんな気持ちでいるのかを考えると胸が痛んだ。




「花ちゃん…頭あげて?」




優しい声が頭の上から聞こえた。




私はゆっくりと頭を上げたが、涼太くんの顔を見ることが出来なかった。




申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
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