俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
「涼香ちゃんいこっ」


「うんっ」




せっかくの遠足なんだから、みんなで楽しまないと!
絶対、楽しかったって言わせてやるんだからっ




そして、私と涼香ちゃんを先頭にスタンプラリーが始まった。




スタンプを回る順番は自由で、それぞれ班ごとに決めたルートを進んだ。




私たちの班は、私がパンフレットを作っているときからルートを考えていたため、順調に回っていった。




そしてスタンプラリーを開始してから2時間ほどが経った。




ふぅ…結構歩いたなぁ…
ちょっと、疲れてきたかも。




ハイキングコースという割に意外と道が険しく、最初は楽しく会話しながら歩いていたものの次第に口数は減り、体力が底をつきそうになっていた。




「意外と疲れるんだね、スタンプラリーって…」




「うん…みんな大丈夫かな」




後ろへと目を向けると、男の子二人は疲れた様子で息を荒げていた。




その後ろで柊くんは顔色一つ変えず、ここから見える景色に視線を向けていた。
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