弱虫総長と七人の護衛
またがしゃがしゃと洗い物をはじめた梓がそれに反応して首をかしげる。

「んー?なんか言ったw?」

「いーや、何にも。俺も風呂行ってくるわ」

「うん、つっちゃんに手ぇ出しちゃダメだよww」

「……阿呆」

拳を軽く梓の頭に落としてから風呂の方へ向かう。

出来れば俺だって男と二人で風呂なんて嫌だよ?

でも仕方ないじゃないか。あいつ、一人じゃ頭洗えないんだし。

俺が専属洗髪師……なんてね。

「萩ぃー!すごいよー、今日のお風呂泡がたってる!」

上着を脱いで洗濯機に入れたところで、紬の声が聞こえた。

風呂場にいるせいかいつもよりはしゃいでいるように思える。

「あー、きっと女の子達が入れた入浴剤の残りでしょうね。興奮しすぎて風呂の湯を飲んでさっさと死んでください」

淡々と言うと、風呂場から「ちゃんと聞いてるんだからね!」と痛くも痒くもない反撃が返ってきた。
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