弱虫総長と七人の護衛
それに適当に返事をしてから俺も風呂場に足を踏み入れる。 

しっかし、いつ見ても無駄に立派な風呂だな。

さすが金だけは有り余っている紬の家だ。メインの湯船の他に、水風呂と露天風呂、ジャグジーなんかもある。

こんなの下手したら旅館並みだ。

俺は苦笑すると紬が浸かっている一番広い湯船に体をたゆたわせた。

「ふあぁ、生き返る……」

「ふふ、だよねぇ」

にこにこしながら紬が近寄ってくる。気持ち悪いことこの上ない。

「近寄らないでください。俺に幼児体型菌が移る」

「む、何さ。小学生みたいなこと言って!これはわざとなの!弱いと思わせて油断させるための体型なの!」

「……実際弱いくせに。大口叩くな」

冷ややかな視線を向けると、四十度を超える温度の湯船の中に居る筈の紬の顔が、さあっと青ざめていった。

ざまぁw……って、おっと。梓の口癖移ったか?
< 11 / 25 >

この作品をシェア

pagetop