弱虫総長と七人の護衛
いけないいけないと口元を押さえつつ、俺は紬と距離をとっていく。

自分が変なことを言ったせいで、本当に幼児体型菌が移りそうな気がしてきていたのだ。

コトバの力って恐ろしい。

そんな風にして少しずつ後退して行くと、五歩ほど下がった辺りで何かに足がぶつかった。

……ん?もう壁か?それにしては柔らかい感触だった。まるで、人間の足のような。
 
少し背筋が寒くなった。俺は慎重に後ろを振り返る。


果たして、そこには-


「あ、やっと気づいたー。ボクらってそんな存在感無いかなぁ?」

「どうだろうねぇ、ボクはただ単に萩くんの老化だと思うよぉ」

「……ッ、お前らかよ!」

そこには、蠡宴幹部の最年少で双子の秋華リヒト、リュウト兄弟が居た。

年上(特に俺)をからかう癖のあるこいつらには、一瞬幽霊かと思ってしまった、何てことは秘密だ。
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