弱虫総長と七人の護衛
A「お褒めいただき大変光栄でございます」

Q「あはは、君って面白いね。君みたいに頭の切れる子だと文豪の良さが分かったりするの?」

A「あ、いや、そうでもないですよ。尊敬っていっても、俺の知ってる太宰治の小説はまだまだ少ないですし。そうだな、一番好きなのはやっぱり『走れメロス』です」

Q「それは僕も知ってる。名作だよねぇ、教科書にのってたし!」

A「はい。俺も教科書ではじめて読みました」

Q「普通の子はそうでもしないとあんまり読まないでしょ。申し訳なさそうに言わなくて良いんだよ。まぁ、僕が言えたことじゃないけどね」

A「そう、ですね。遥人さんの方こそ面白い。……ねぇ、一つ聞いても良いですか」

Q「……勿論、何でも聞きなよ。僕はその道のスペシャリストだからさ」

A「じゃあ遠慮なく。遥人さん、もし俺がメロスだったとしたら、俺は、友を助けることができたんでしょうか?三日後の日没までに、戻ってくることが、できたんでしょうか?」

Q「…………分からないね。それは、きっと君次第だよ」

A「何でも聞けっていったくせに」

Q「ふふ、『分からない』だって立派な答えだよ」
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