弱虫総長と七人の護衛
「ほんと!?梓、神!仏!大天使!うっはぁ、楽しみだぁ」

そう言うなり、紬は靴を無造作に脱ぎ捨てて部屋の奥へと消えた。

俺はその姿に苦笑しながら頭をかく。

「ったく、調子いいなぁ」

「またそんなこと言ってぇwwつっちゃんが心配だって、いい加減認めなよww」

俺の肩にずしっと頭をのせながら梓がからかうように言った。

蠡宴に入る前からの付き合いだが、正直彼の物言いには少しうんざりしている。

怒っても嫌だが普段の梓はもっと手をつけにくい。


……いっそのこと、さっき怒ってもらった方が良かったのかもしれないな。


そんなことを思いながら俺も靴を脱ぐ。ついでに紬のも揃えてやる。

すると、後ろから梓の吹き出す声が聞こえてきた。

「やっぱ優しいね、萩ww」

「……別に。あいつに仮を作ってやってるだけだ。後で金をもらうさ」

俺は梓に顔が見られぬよう、そっぽを向いて答えた。
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