弱虫総長と七人の護衛
「いえいえーwwそれよりさ、今日のも柔らかくてよかったっしょ?萩、よく噛まないといけない物嫌いだもんねwww」

……知ってて言ってんのか、こいつは。

流し台に器と箸をおき、俺は軽く梓を睨んだ。

「余計なお世話だ。いつも思うんだが、お前の意地の悪さは異常だな。頼むからそれ以上古傷つつくんじゃねぇよ」

「僕はただ真実を言ったまでだよw萩もつっちゃんに言ってる手前、強くなりなね?」

間髪入れずに梓はそう答えた。意外にあっさり交わされ、膨らんでいた怒りは俺の中で「まぁいいじゃん?」と押さえられてしまう。

怒るために使われていた緊迫感がなくなり、力の抜けた俺の体が迫力のなさを物語る。

……そう言えば、今日紬に突っかかってた奴等も、最初は俺見て嘲笑ってたし、見た目は貧弱って訳か。

「そりゃ虐められもするわな」

俺は自嘲気味に笑うと、ぽつりと呟いた。
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