水玉模様
「昨日って言ったら、あたしがケガして保健室行っただけじゃん?そんなウワサ真に受けてんの?ばかばかし。」

あたしはクラスの子が出していたグーの手を押し退けて、自分の席に向かった。

「保健の先生がいなかったから、篠田くんと勝手に棚あさってて、それ怒られただけだから。…わかった?」

「あ、そーなの?」

みんなが一斉にガッカリしていた。

なんなんだよ…朝から腹立つな。

篠田くんがあたしを見ていた。

困っているような…良くわからない表情だった。

まるで曇り空ーーー太陽を出したいのか、雨を降らせたいのか…迷ってる時みたいだった。

「てかさぁ、いつまでも篠田くんのこと囲んでないで解放してあげたら?」

「そーだな。篠田わりぃ。」

「…。」

軽く睨みながら言ったあたし、キョドりながらも散らばっていくクラスのヤツら、何も言わない…篠田くん。

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