水玉模様
「…。」

教科書に、ため息が吹き抜けた―――…?

そんな気さえした、6限目のあたしだった…。



ーーーそして今日も無事に(?)終わり、帰り支度を始めた。

1年の時は合唱部に入っていたけど、何となくつまんなくなって辞めたんだ。

この学校は部活動が盛んではないから、そんな流れもあったかもしれない。


「瀬口さん…。」

「…。」

カバンに荷物を詰め終わろうかという時に、篠田くんがあたしの席まで来た。

「今日…ホントごめん……。」

「いいよ、別にもう怒ってないから。掃除しなくて済んだし。」

あの炎天下の中での作業がなくなった事は、確かにラッキーだった。

「ありがと…!」

…困る、その笑顔。

“沙耶香”だけに向けてなさいよ…。

「それと、瀬口さんはそんなに化粧しなくても、イイと思うよ?」

だから、そういうことは“沙耶香”に言えって…。



< 12 / 358 >

この作品をシェア

pagetop