水玉模様
どう考えても、後者だろうな。

わざわざ教室の前まで来て待っててくれるなんて、あたしだったら嬉しい以外の感情はわかない。

まぁ…朝メールや電話で起こすだけじゃ、生輝くん的には不安だったんだろうけど。


「そういえば工藤瞬は?一緒じゃなかったね。」

「瀬口気になるのぉー?」

「…そんなんじゃないしッ!」

いつも犬みたいにシッポ振ってくるヤツがいないんだから、気にならない方がおかしいんじゃないか。

「ふーん。さみしい?」

「全ッ然‼︎静かでいいよ。」

さみしい…?

そんなことない。

そんなこと、ある訳がない…。

あたしが想ってるのは、篠田くんのことだけなんだからーーー…。

「てかあやね、聞いて~。」

これ以上工藤瞬の事でいじられたくなかったあたし、とりあえず話題を変えた。

「んー?」

「あたし夏休みに旭市の花火行ったんだけどさ、元カレに会って、もぉ最悪だったよ。」

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