水玉模様
「マジ⁈最悪じゃん。てかあやねも行きたかったー。」

「あ~…ゴメン。」

「何か言われたの?瀬口よく気付いたね。」

「んー…気付かれた。」

…浴衣のせいで。

「ふぅん。工藤瞬と行ったの?」

「まさかー!違うしー。」

「じゃぁ誰と?」

「あのね…………って、何言わそうとするの⁈」

ヤバイヤバイ、あやねの術中(?)にハマるとこだった。

「きゃはは。ざんねーん!」

ケラケラ笑ってるあやねだったけど、こっちはそれどころじゃない。

変な汗かいたし。

「友達と行っただけだから、変な詮索しないで。」

そう、友達。

あたしにとっては『好きな人』だけど、関係は『友達』。

「友達ねぇ…。」

「そ、友達。」

嘘は、ついてない。

あたしと篠田くんは、『友達』。

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