水玉模様
でももう、1人じゃ抱えきれない…。

誰かに聞いてほしい…。

誰かに、慰めてほしい…?

―――誰?



もうすぐ、夏が終わる。

無事に課題を提出してーーー秋が始まろうとしていた。


煮え切らない、あたし。

みんな眠いのか、だるいのか、いつもより活気のない教室。

あたしも、そんな空気を作り出していた中の1人だった…。

そしてとうとうこの日、工藤瞬はあたしの前に姿を見せてはくれなかった。


夏休みの間、工藤瞬からの誘いは断っていたあたし。

充也の家で会って以来、しばらく顔見てないな…。

メールや電話を、何回かしたくらい。


篠田くんとも…そんなかんじ。

メールで雑談、みたいな。

それでもあたしは、嬉しかったんだ。

篠田くんが、あたしに宛ててくれたメール…。

あたしのために時間を割いてくれたと思うだけで、ときめいてしまう…この心。


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