水玉模様
みんなで写真を撮ろう!という口実で、あたし達は石黒くんの部屋へと向かった。

その部屋は既に盛り上がってて、よく知らない顔も何人かはいた。

「瀬口ーッ!俺を襲いに来たなんて、10年早いぞ!」

「あれーっ!充也くん!」

あやねがキョトンとした声をあげた。

あたしはあえてシカト。

「おめー俺をシカトすんのか?あ、ケータイ貸せよっ。撮ろーぜ。」

カシャッ

あたしの手からケータイを奪い取った充也は、やたらとあたしやみんなに向けて撮っていた。

「もー勝手に使うなってー。」

「思い出作り手伝ってやってんじゃん、感謝しろよ。」

「充也くん、あやねもー!」

「よしっ!」

カシャッ

「…。」

お気楽な修学旅行モードでいいわね、この2人。

あたしは、この部屋にいる篠田くんが気になって仕方ないというのに…。


いっそ森さんのとこにでも、行ってくれないかな…。 

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