水玉模様
「悠も帰るよな?一緒にそこまで行く?」

「うん。行く。」

淡々と会話が進む中、あたしはまだ立ちつくしていた。

「瀬口ー、おいてくぞ。」

「えっ、あ…待ってよ!」

まだ少しだけ冷たい風を背に受けながら、あわてて2人を追いかけた。

今年の桜は、早起きだ。

もう…こんなにピンク色。


並んで歩いてる時、初めて篠田くんの顔を見た。

キレイともカワイイとも言える顔…黒髪が、さらさらとなびく。

あ、ピアス発見…。

背は、そんなに高くないのかな。

あたしが155センチで、充也が175センチくらいだから…170センチないくらいかな。

…って、何観察してんだあたしは。

充也と篠田くんは、ゲーセン行くとか話してるし…。

「ちょっとぉ、あたしゲームなんかできないよ?」

「じゃぁ帰れ。」

意地悪な笑いまじりに、充也が言う。

「なにそれー!ちょっと今の聞いたー?…篠田くん…だっけ?」


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