水玉模様
目の―――…充血。

あれは、今さっきの事なんかじゃない。

「篠田くん、今日学校でさ、何で顔洗ってたの?」

つい口からでてしまった、素朴な疑問。

篠田くんの表情が、雲った様に見えた。

「そーいえば、俺も気になってたんだよソレ。」

幸いにも充也がノってくれて、少しホッとした。

「あ、ちょっとコンタクトがおかしくて。」

篠田くんはそれだけ言うと、もう随分と赤くなった空を目に映していた。

「あ、そか。オマエ目ぇ悪かったよな。」

充也は納得してるみたいだけど、あたしは気になって仕方ない。

「そーなんだ…。」

でも、さらりと流すフリをした…。

だってコンタクトの調子が悪かったとして、フツー顔ごと洗う??

なんで?

なんで??

「…なに?」

「あっ、ゴメン!何でもない!」

あたしは手を左右に振って、笑ってみせた。

気になって気になって、篠田くんの顔をいつの間にか見ていた事に、気が付かなかった。



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