水玉模様
空には、少しずつ星が見え始めていた…。

小さな小さな…大きな、水玉。


「ありがと!」

家の前まで送ってもらって、元気にお礼を言うあたし。

だけど、疑問はそのまま…星の様に増えていく。

「じゃぁな~。休み中、淋しかったら連絡しろよ!」

「誰が。」

「じゃぁ…。」

「…?」

篠田くんの顔が、少し憂いを含んだような…それは、哀しいとも優しいともとれて、なんか不思議な表情だった…。



そして充也は、あたしに隠し事をしていた…。

それがわかるのは、もう少し先の事ーーー…。

短い春休みの間、あたしも充也と同じ事を思う様になっていた。

3人で、同じクラスになれたらーーー…。

一緒に撮ったプリクラは、スマホカバーの裏に貼った。

意味なんてないけど、なんとなく…。

篠田くん…。

あの時ーーーあたしが顔を洗ってた訳を聞いた時、なんであんな表情をしたの…?

雲り顔の下に、悲しさが見えた気がした。

プリクラの篠田くんは、普通に笑顔なのに…。


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